2012年09月10日
「松下幸之助から・・・」足柄観光ガイドの会 講演会
「松下幸之助から学びて、今思う日本の行末」
この演題、少し古い感じがしてあまり期待感もなく、知人からお誘いを受け参加した。
講師は、神奈川大学名誉教授の松岡紀雄氏。
経営の神様といわれた幸之助氏から薫陶を受け、その教えの中から、氏の経営哲学を現在も尚活き活きと伝えられる無二の存在である。
パナソニックでは今も、幸之助氏が語った講演録は大小問わず全て録音し、テーマごとに分けて保存してあるそうだ。
講師が幸之助氏から学んだことをひとつ上げるとすると、「自分の寿命を超えて、日本と世界の行く末を考える」ということだそうだ。母校松山北高校100周年記念講演で「21世紀を生きる勇気と知恵」の中で「現在の私が考えるのは、学生たちや孫が生きていく50年、100年先のこと」と語ったそうだ。
これぞ、リーダーに求められること、なすべきこと。
政局に終始し、政策を蔑ろにしている今の政治家も見習って頂きたい。
そういえば現総理は「松下政経塾」で学ばれたはずだが・・・・
幸之助氏が塾を開いたのが84才、初期の塾生には直接講義することのあったろうが、総理の世代はそのようなことはなかったようだ。
さて、講師の松岡先生だが、その語り口は大変魅力的な方だった。2時間しゃべり続けたが、聴衆を飽きさせずること無く、その引き出しの多さに驚く。年を重ねるということが素晴らしいと感じさせてくださる数少ない先輩だ。2011年2月神奈川大学での最終講義「松下幸之助から学びて今思う日本の行く末」はネットで公開されている。最終公演はホール満杯に人で埋め尽くされたそうだ。
講演会の参加者の多くは団塊の世代、それも8~9割を男性が占めた。中規模の会議室に50名ほどが集まりアットホームな雰囲気の講演会だった。
嘗ては企業で活躍された方々、次々と当を得た質問が出される。
先生は企業市民論を早くから提唱し根付かせようと活動されてきた。。NPO活動や市民活動を様々な側面から応援されている。危機的な日本を救うのはひとりひとりの市民の意識と行動だと先生のお話しから強く感じた。
主催者は、AKG28。AKB48をもじったこの団体名、感性が若々しい。
先生の造語「高貴高齢者」を実践している。